熱帯魚、海水魚最速入門

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完全ビギナー向け

  • バクテリア剤は不要。2週間に小型魚1匹追加ぐらいのペースで飼育している生き物を増やせばほぼOK。
  • 底には安い砂利を敷きましょう。
  • 水替えは2週間に一回、4分の1程度の量を目安に。
  • ビギナー向けお魚飼育セット(水槽本体、投げ込み式フィルタ、エアーポンプ、その他)を購入するなら、できるだけ大きめのものを購入すること。20リットル前後の容量であればちょうど良い。

失敗しないために

  • 水を入れたまま水槽を持ち上げないこと。フレームレス水槽では特に破損しやすい。
  • 生体の死骸を放置しないこと。腐敗の過程で有害な物質が放出される。
  • 地震対策として、水を入れすぎないようにすること。横揺れで周期が合ってしまうと厳しい。万が一水があふれてしまっても機械類や延長コードのコンセントに水が掛からないように工夫すること。
  • 水中モーター式ろ過装置等、電源コードが水に漬かりやすいものは水がコードを伝ってコンセントへ到達しないように工夫すること。一番簡単で確実な方法としては、延長コードのコンセントをろ過装置よりも上に固定すること。
  • メタルラックなどを水槽台に流用しないこと。水を入れた水槽の重みで中心部が撓み、水槽に力が掛かり、変形または破損する恐れがある。どうしても使いたい場合は、硬い合板や撓まないように補強材を取り付けた板を敷くこと。
  • 冬場の加温は水槽用ヒーターかエアコンを使うこと。セラミックファンヒーターやカーボンヒーターはすべての水槽を均一に加温することが難しく、また、温度調節がほぼ不可能に近い。灯油ストーブはCO2の添加に繋がってしまうので注意(飼育ルームに換気扇が無い場合はやめておいたほうが良い)。

大前提

  • 水量のある大きな水槽ほど水質の変化が緩やかなため、管理が容易。小型水槽はどちらかというと中級・上級者向け。
  • 60cm規格水槽は水量も申し分なくオプションパーツも豊富で安いのでおすすめ
  • 一部の種を除き、淡水魚は海水で生存できないし、海水魚は淡水で生存できない(短時間なら可能)
  • (人工)海水は食塩だけでできるものではない。カリウムやマグネシウム、その他ミネラルが海水には含まれている。
  • 定期的に30%程水を換えないと飼育している生物にとって有害な窒素化合物が蓄積されていく。水量対生体量に依るが、週に一回から二週間に一回程度は必要。
  • 水道水に含まれる塩素は、水槽中の有用な微生物にダメージを与える。
  • 水槽中の有用な微生物は、腐敗した残餌や生体から放たれるアンモニア(強毒)を毒性の少ない亜硝酸・硝酸塩に変えてくれる。
  • 水槽をセットしたばかりの時期はアンモニアを硝化してくれる微生物が少ないため、水換えの頻度を多めにし、餌の量は少なめにすること。
  • 水換えは特に理由がない限り全部換えないこと。有用な微生物が急激に減って水槽の硝化能力が下がる。
  • 底に大磯などを敷くと良い。何も底に敷かない「ベアタンク」は中級・上級者向け。
  • 海水水槽の底材としてソイルを使ってはいけない。

入門 ~ 淡水魚 ~

  • バクテリア剤は入れる必要なし。
  • 淡水アクアリウムにおけるアンモニア->亜硝酸変換は、タウム古細菌がその多くを担っている。
  • 白点病(イクチオフチリウス症)はメチレンブルーで治せる。
  • イカリムシは専用の魚病薬を使って治療するか、メチレンブルー薬浴で仔虫を駆除しつつ親虫が寿命で死ぬのを待つ。
  • その他、よくわからない病気になったらとりあえずポビドンヨードを適量使ってみる(入れすぎ注意)
  • 病気の治療は本水槽ではなく、隔離水槽を用意して進めること。
  • サーペテトラは気性が荒いので混泳に不向き。そうでもなかった。
  • スリースポットグラミーは気性が荒い。
  • セルフインプレコ(セイルフィンプレコ)はバカでかくなる。
  • フグ系は混泳に向かない。
  • 混泳のコツはパワーバランス。ゲーム理論的な均衡状態を作る(三すくみのような感じで)
  • 卵胎生の魚類は繁殖力が凄まじい。

入門 ~ 海水魚 ~

  • ニトロソモナス属入りのバクテリア剤は意味を成す可能性がある。
  • 病気の持ち込みを防ぐため、人工海水の使用をオススメする。
  • 白点病(クリプトカリオン イリタンス)の治療はかなり手間がかかる。硫酸銅の入手は困難なので、マラカイトグリーンによる薬浴の長期戦となる。
  • 海水は溶存酸素濃度が低めなので、ウッドストーンなどで細かい泡を発生させてエアレーションするとよい。ただし、ウッドストーンは軽くて浮くものがあるので注意。夏場でなければそれほど意識しなくても問題ない。
  • ルリスズメダイは気性が荒い。
  • ライブロック投入時はセイタカイソギンチャクが付着していないか確認すること。
  • 海水のphは高めなので、アンモニアの毒性が強く出る。過密飼育時は濾過バクテリアの増殖と生体量のバランスを見極める必要があるので、難易度が高い。
  • ライブロックの奥深く、酸素が供給されないところでは、嫌気性バクテリアが脱窒してくれる。
  • 底材を厚く敷いて嫌気層を作ると、残餌が入り込んだときに硫化水素が発生することがある。硫化水素が発生したら底材が灰色に変色する(硫化鉄?)

入門 ~濾過装置編~

  • 投げ込み式フィルターは、コスト面と機能面で優れている。
  • 上部式フィルターは、機能面とメンテナンス性に優れている。
  • 外部式フィルターは、性能面と気密性に優れている。反面、溶存酸素濃度の維持に不向き。
  • オーバーフロー式濾過装置は、機能面と性能面、メンテナンス性が優れている。

エアリフト式

投げ込み式フィルター、底面濾過、スポンジフィルターはエアリフト式としてカテゴライズできる。特性を以下に列挙する。

  • 動力源としてエアポンプを必要とする。
  • 副作用としてエアレーションされる。
  • CO2添加と相性が悪い。
  • 煙突効果を利用できる。
  • 機材、消耗品が安価である。
  • 自作が容易である。
  • 泡が弾ける際に飛沫が周りを汚す。

外掛け式、上部式

外掛け式及び上部式フィルターは、水槽から汲み上げた水を別タンクで濾過し、溢れ出た分の浄化された水が重力によって再び水槽へ戻るという点において共通する。以下に、これら方式の特性を列挙する。

  • 揚程(吸い上げる部分の)限界が低い。
  • 稼働開始時は、インペラーユニットの高さと同じぐらいの水位が要求される場合があり、これを守らないと最悪、動力部が破損する。
  • 濾材交換時、水槽に手を入れる必要が無いためメンテナンス性に優れる。
  • 濾過装置から水槽への落水時にある程度エアレーションされる。

外部式フィルター

外部式フィルターは密閉された容器内で水を濾過する方式を指す。濾過能力は高いが、注意を要する点がいくつかあるため、初心者には勧められない。以下に、その特性を列挙する。

  • 原理上、動力源はウォーターポンプのみ。エアリフト化は不可能(たぶん)
  • 動力源は、吸水管、濾過容器内、排水管のいずれに取り付けても理論上は動作する。
  • 動力源を吸水管に取り付ければ呼び水不要となり、また、「エアーをかむ」ことを心配しなくても良い。
  • 漏水の危険があるため、濾過装置全体に気密性が要求される。
  • 濾過装置を通る水は、その濾過過程で空気に曝されることがない。そのためCO2添加と最も相性の良い方式である。
  • メンテナンスが最も困難である。
  • 濾材が大量に入る。
  • 動力源の取り付け位置によっては、極めて静かである。
  • 何らかの原因で水流が偏ると、嫌気性微生物の活動によって硫化水素等の危険な物質が放たれてしまう可能性がある。
  • やや高価である。

オーバーフロー式濾過システム

ある一定の水位を越えた分の水槽内飼育水を、濾過槽へ「溢れさせて」落とし込む方式を指す。水槽の加工を要する通常の方式と、サイフォンの原理を利用した方式に分けてそれぞれの特性を列挙する。

通常のオーバーフロー式濾過システム

  • 水槽内の水位が一定に保たれ、蒸散に強い。
  • 濾過槽の高さ及び設置位置に依っては、高い揚程に対応できる強力なポンプが要求される。
  • 濾過能力を高めることが極めて容易である。
  • ヒーター、クーラー、プロテインスキマー、殺菌灯、その他様々な機器類を濾過槽に設置することができ、水槽本体は給排水管のみにすることができる。
  • メンテナンスは比較的容易である。
  • 濾過槽の自由度が高い。
  • 副次的にエアレーションされる。
  • 停電時等、動力源が停止した際は、給水管内の水が濾過槽へ逆流する。
  • 落水音が大きい。

サイフォン式、ダブルサイフォン式オーバーフロー

概ね前述のオーバーフロー方式と特性は同じだが、サイフォン式の場合は以下のような大きなデメリットと小さなメリットが生ずる。

  • シングルサイフォン式は、停電時または停電後の再稼働時に漏水する。安易にシングルサイフォンにせず、必ずダブルサイフォン式にするか、現在総水量が水槽容量以内に収まるようにすること。
  • 原理上、排水管の径に制限があるため、排水管が詰まりやすい。詰まれば漏水する。
  • サイフォンの原理は直感に反する部分があるため、油断すると思わぬパターンで漏水事故を起こす。
  • 排水管にエアーが入って、一定以上蓄積されたらサイフォンブレイクしてアウト。エアーを自動的に排出する仕組みは必須。
  • 水槽を加工せずに済む。

その他濾過装置

上述のカテゴリ分けでは分類が難しいものを列挙する。

水中ポンプを取り付けた底面濾過、水面下で完結させたe-Roka等

  • 濾過装置を流れる飼育水が曝気されないという点では、外部式フィルターと同様である。そのためCO2添加が無駄になりにくい。
  • メンテナンス性はやや悪いが、外部式フィルターよりはかなり良い。

過密飼育のコツ

微生物による浄化サイクルが完成した水槽では、水量あたりの飼育生体量を多めにしてもトラブルが起きにくい。バクテリア(&古細菌)の活着面積を稼ぎ、酸素を豊富に供給し、過剰ろ過な設備にすることが基本方針となる。

窒素化合物の無害化と除去

  • 多孔質な底砂、多孔質な濾材を使って微生物の活着面積を高める。
  • 十分な酸素供給(生物ろ過の過程で必要)
  • マツモ、アナカリス等の成長の速い水草を投入する。伸びたら新芽を残して古い部分をカットして捨てる。
  • 換水の頻度を上げる。
  • (淡水限定)ゼオライトを使ってアンモニア濃度の急激な変化を抑える。または、ゼオライトを定期的に交換または再生して利用する。
  • Phを低めにしてアンモニアの割合を下げて代わりにアンモニウムイオンの割合を上げる。

過剰ろ過

  • ろ過装置の数を増やす。投げ込み式フィルター、外掛け式フィルター、コーナーフィルター、外部式フィルターなどであれば、上部がふさがれていても追加しやすい。
  • ろ過装置の流量を増やす。エアリフト式のフィルターであれば、複数のエアポンプ吐出口から出る空気を、分岐管を逆に利用することでマージして送り込む。また、投げ込み式であれば煙突効果を利用する。
  • 物理ろ過のろ材(ウールなど)をこまめに交換する。
  • 吸着ろ過のろ材(活性炭)をこまめに交換する。
  • 底面フィルターを併用する。